ERIBA Touringの換気の仕組み

 

ポップアップルーフを上げ、アクリルウィンドウも開け、さらにサイドオーニングも展開したTouring 540=写真手前



ERIBA Touringならではの換気。

その仕組は、Touringを印象づけるポップアップルーフにあります。


ポップアップルーフを囲む生地に取り付けられたファスナー式の網戸。

外気を取り込むと同時に暖かい空気を排出する役割を持っています。



ポップアップルーフの網戸を開けた状態=写真はTouring540


網戸は三方に取り付けられています。

ファスナー式ですので、個別に開閉ができ、換気の調整が可能です。

ちなみに、三角に開いた生地は、軽く巻いて、網戸とフレームの間に挟むときれいに収まります。ベロンと垂れていると上部キャビネットの開閉の邪魔になります。うまく挟めない(反発して戻り垂れ下がる)場合は、内巻きと外巻きを変えてみると収まりが良くなったりもします。



ファスナーで閉じた状態の網戸=写真はTouring540



ボディ周囲のアクリルウィンドウも開けると、風の通りが良くなります。

ポップアップルーフが煙突のような役割になって、室内の空気循環を促進します。夏場でも風がある日なら、この効果が体感できます。熱気が室内にこもりにくいので、意外と涼しかったです。

これがTouring独自の換気の仕組みです。



前後左右(常設ベッドモデルは左側無し)にアクリルウィンドウが装着されてるので、風の通り道が作りやすい構造です=写真はTouring540


室内の頭上空間を広くするためのポップアップルーフですが、このように、機能的な換気の役割もあります。

  • 牽引時の空気抵抗を減らすために全高を下げたボディ
  • 全高の低さは室内高の低さで狭い
  • 停車時のみ室内高を確保するためのポップアップルーフ
  • 約20cm上がるポップアップルーフを煙突効果に活用

なんとも考え抜かれた設計です。



ポップアップルーフを上げたTouring310



偶然の産物なのかも知れませんが、牽引時の空気抵抗を減らすという設計思想のもと作られたのがTouringです。この空気抵抗を減らすという考えがなければ、ポップアップルーフも生まれなかったので、必然なのでしょうか。

こうして、思いを馳せてみたくなるのは、Touringがゆえ。



メッシュになった白く四角い物体が自然換気ユニット=写真はTouring540


また、ポップアップしない方の天井には自然換気が取り付けられています。小さいので、絶大な効果は望めませんが、ポップアップルーフを閉じた状態でも、やんわりと換気がされる仕組みです。



そして、前回の記事にあった暖房の排気についてです。



キノコのような形をした暖房の煙突=写真はTouring540


暖房器具の背面から天井に向かってパイプが通り、車外にあるキノコのような部分が出口(煙突)です。

落ち葉や雪などでこの煙突が塞がれていると、室内に暖房の排気が入ってくる恐れがあります。暖房を使用するシーズン前には煙突部分の点検もお忘れなく。



クローゼット内を通る暖房の排気パイプ=写真はTouring540



しかし、なぜ、室内のパイプがむき出しなのか?


Touringらしくない、エレガントではない作りですね。

これには理由があります。排気も暖かいので暖房効果に活用しているのです。そのため、敢えてキャビネット内をむき出しのパイプが通っています。



外へと向かう排気パイプ。通り道はきれいな切り欠きになっているので、敢えてむき出しの設計であることが伺えます=写真はTouring540



ドイツ的な質実剛健というか、合理的というか。。。

他の部分の作りをみても、パイプを隠すのは造作もない事だと思いますので、ここには隠さないという彼らの意志があります。



さて、換気というよりTouringの設計思想に話が向いてしまった感もありますが、「ポップアップルーフが煙突効果をもたらす」という事でまとめさせていただきます。


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