HYMER/ERIBA日本仕様 その1

写真はイメージ



HYMERモーターホームやキャンパーバン(自走式)、ERIBAトレーラーは、当然ですが、ドイツから日本に輸入されています。


輸入された時点で、日本向けに変更されている部分はほとんどありません。

自走式の右ハンドルモデルは左側通行に適したヘッドライトに変更されていますが、それ以外の部分は、車両が到着してから日本での使用に適した状態に変更します。


私たちはこれを日本仕様と呼んでいます。

ローカライズと書いた方がわかりやすいですかね。


  • 車検に適合させる = 車両部分
  • キャンピングカーとして使用できる = キャンピング部分


大きくはこの2つに分けられます。


今回は、キャンピング部分の日本仕様について触れていきます。

車両部分の日本仕様については別の機会に紹介いたします。




まず、AC電源。


電圧が日本とドイツ(ヨーロッパ)では異なります。日本は100Vでヨーロッパは230Vです。

HYMERやERIBAに搭載されている電気機器は230Vで稼働します。日本は100Vですので、そのままでは使用できません。

代表的な機器は、3WAY冷蔵庫です。


また、外部AC充電も230Vの入力に合わせて作られているので、変圧してからでないとサブバッテリーに正常な充電ができないのです。

この辺の仕組みは別の機会に書かせていただくとして、使うにはどうするのか?


そこで登場するのが、アップトランス。



ERIBA Touringに装着しているアップトランス(手前・奥はVARTAの95Ah AGMサブバッテリー)


100Vを230Vに変換する機器です。

このアップトランスを使う事で、3WAY冷蔵庫などの機器自体に変更を加える事なく、日本で使用できるようになります。


ただし、車内にあるACコンセントには100Vを提供しなければなりません。

そうです、車内のACコンセントに接続するのは、基本的に日本の電化製品です。ヨーロッパ直輸入の機器を使用されるのは稀有ですかね。

そして、100Vの機器に230Vを流したら壊れます。いや、事故になりかねません。


そのような回路でAC電源のラインを引きます。


ちょうど話題に上げたACコンセントも、日本仕様の対象です。

日本とドイツでは差し込み口の形状が違います。



日本仕様前のACコンセント。ドイツに行かれた方には馴染みのある形状ですね=写真はSydney



日本仕様完了後のコンセント。いつものあのカタチです=写真はExsis-t678


DC電源に関しては、12Vなので変更する必要がありません。

USBソケットも共通規格ですので変更なしです。




続いて、ガス。


コンロ、3WAY冷蔵庫、ヒーター・ボイラーはLPガスを使用します。一部、軽油式のヒーター・ボイラーを装着している車両もありますが、基本はLPガスを燃料にしています。


LPガスボンベの形状もそうですが、それよりも接続口が違うので、日本のものはそのままでは接続できません。

これも、日本の規格に合わせて変更します。



日本仕様完了後のLPガスレギュレーター=写真はExsis-t678


モデルによって(特にキャンパーバン)は、LPガスの代わりにカセットガス式に変更することもあります。

軽油式FFヒーター&ボイラーとDC冷蔵庫を装着しているモデルの場合、LPガスを使用するのはコンロだけになりますので、使い勝手の良いカセットガス式を日本仕様として選択しています。




と、ざっくりですが、キャンピング部分の日本仕様はこのような感じです。


当然これらの作業は標準仕様です。

正直、欧州仕様のままでは日本じゃ使い物になりませんので、、、

基本的には、日本仕様が済んだ車両から展示されるという流れになります。


とは言え、最近のHYMERに採用されているメインコントロールシステム(キャンピング部の電源や機器のコントロールができるパネル)の言語設定など、ローカライズできない案件も存在しますことをご了承ください。





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